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産後から取り組む更年期対策(#ちぇぶら相談室 vol.3)

 産後から取り組む更年期対策

「産後と更年期、何の関係があるの」と思っていませんか?私も更年期について学ぶまでは、出産と更年期を別の事と考えていました。実は出産と更年期は女性ホルモンの影響を大きく受けるという意味で同じ状態なのです。産後から更年期対策に取り組み身体と心を整えて、更年期を前向きにむかえましょう。(助産師 木内まみ)


産後と更年期

出産が終わるとホルモンが大きく変化し、色々な不調を感じます。身体はもちろん、気持ちにも影響を及ぼします。

妊娠中から始まる骨盤の靱帯の緩みがピークになり、産後3~4ヶ月間ほどで徐々に戻っていくと言われていますが、この時期の間違えた姿勢や動作が骨盤を歪ませ、尿漏れや腰痛の原因になります。

精神的には、出産を境に分泌されるホルモンが変化するため、気分が不安定になりイライラしたり、涙がでたり、不安になったりします。

エストロゲンという女性ホルモンの急激な減少で起こるのですが、更年期も同じ症状が起こります。

産後の症状が更年期に増強する可能性が大きいのです。

 


産後からの更年期対策(身体編)

産後と更年期、どちらもホルモンの影響を強く受けている事をお話しましたが、ここでは産後からの身体の整え方をお伝えします。

更年期は骨重の減少、血流の低下、また筋力の低下によって姿勢が悪くなると内臓も下がってきます。それにより、肩こりや尿漏れや腰痛、子宮や膀胱など骨盤内の臓器が下がってしまうことがあります。

妊娠中からの骨盤の緩みや歪みを放置すると、更年期にますます悪化していきます。

産後は忙しく、運動する時間はなかなか確保出来ませんが、立つ、座る、歩くなどの日常動作で良い姿勢を保つ事や、すきま時間に尿漏れ予防のエクササイズや肩回しを行い身体を整えることで、更年期の身体の症状を軽くする事ができます。


産後からの更年期対策(心編)

精神的不調はホルモンの影響だけでなく、性格、ストレスなども大きく影響しています。症状の出方や感じ方もかなり個人差があります。

更年期は子どもの独立や親の介護、夫婦関係の変化、責任ある仕事が増えるなどストレスが多くなる時期でもあります。

また、出産年齢が高くなり、更年期と出産育児が重なる方が増えてきました。この場合は産後のつらさ、子育ての大変さ、更年期の不安定さのトリプルパンチです。

不調が始まってからでは、前向きに考えることが出来なくなります。妊娠中から自分や家族のこれからを計画し、起こりそうな事を予測してみましょう。そして対策を考え、産後や更年期をポジティブに迎える準備をしましょう。


更年期を取り巻く現状

産後はほとんどの方が、誰かしらの支援を受けていると思います。夫、親、兄弟姉妹、友人など手をさしのべてくれる人は多く、行政も子育てに力を入れており、いろいろな支援が受けられるようになりました。

しかし、更年期についてはどうでしょうか。みんなが通る道、そのうち治る等という考えが定着しています。家族関係の変化から、夫、子供、親にも相談出来ない状況も多く、一人で我慢しているだけで、何の対策もしていない方がほとんどです。行政も更年期に対する支援は無いに等しい状況です。

人生100年の時代、更年期以降の長い人生を健康に生きるには、自分で行動することが必要なのです。


みんなで取り組む更年期対策

最後にもう一つ大切なことがあります。

産後・更年期ともに、なんでも相談出来る人を見つけてください。家族や友人、会社の仲間や上司、かかりつけのドクターやナース、地域の先輩、どのような関係でもよいのです。自分が信頼出来る人にもらうアドバイスはとても効果があり、気持ちだけでなく、身体の不調が軽減することもあります。

辛い時は信頼出来る人に相談したり、周りに理解してもらうなど、一人で抱え込まないことも上手に乗り切るポイントです。

更年期を前向きに迎えるためには、産後からの身体と心のケア、人との繋がりが大切な事をお伝えしました。長い人生を楽しく自分らしく生きるために、参考にして取り組んでみてください。


執筆者

木内 まみ

アドバンス助産師 生殖医療相談士 NPO法人ちぇぶら認定更年期ライフデザインファシリテーター

活動  開業助産師  埼玉県助産師会熊谷地区所属 埼玉県熊谷市母子保健コーディネーター 

自分が更年期にさしかかり自分のために「ちぇぶら」で学びましたが、助産師の立場から皆さんにもお伝え出来ることがあるのではないかとの思いで、今も様々な方面から学んでいます。皆さん、一緒に更年期対策をしましょう。